日曜日の昼下がり、涼しい場所を求めて矢筈山へ。
天然クーラーの効いた笹原の稜線と夏の花を楽しんだ。
<香美市物部町笹中番からの矢筈山(中央奥)>
■行先・位置
矢筈山 (三等三角点 [矢筈山] 1606.5m)
高知県香美市・徳島県三好市、北緯33度48分18秒・東経133度53分36秒
■コースタイム
駐車場 12:33(1分)→ 矢筈山登山口 12:34(49分)→ 矢筈山 13:23(昼食)/13:55(5分)→ 登山口 14:30(1分)→ 矢筈山登山口 14:31
<行き 50分 帰り 36分 計 1時間26分>
■コース水平距離 3.5㎞
■天気 曇り
■楽しさ ★★★★★(満点!)
矢筈山登山口は、土佐から祖谷へ抜ける峠にあるので標高が高く、山頂までの標高差はわずかに360mで往復の水平距離3.5kmと手軽。
【水平距離3.52㎞、沿面距離3.67km、累積標高差(+)435m (-)406m】
7月11日の大雨による土砂災害で孤立した笹集落(土居番)付近の崩壊現場は仮復旧されていて、通行に支障はない。
住友共同電力五王堂発電所の笹川取水堰堤に寄ってみた。
五王堂発電所には大小11ヶ所の取水堰堤が存在し、最大11,100kWの発電を行っている。物部町の五王堂発電所、川口発電所、そして仙頭発電所の3発電所で作り出された電気は仙頭発電所に集められ、11万ボルトに電圧を上げた後、全長70kmの送電線を使い、四国山脈を縦断して新居浜まで送られている。
大ボシ山、白髪山、赤星山などを通る送電線(物部線)は、登山中の位置確認や山座同定の目標物にもなっている。
イワタバコは、カンカケ谷やフスベヨリ谷の岩場でも見かけるが、こんな群生は見たことない。ちょっと「変」な甘い匂いが漂い、ハチやチョウが寄って来る。
ウバユリ(姥百合)は、ユリ科ウバユリ属の多年草で本州(関東以西)・四国・九州に分布し、山地の森の中で緑白色の細長い花を咲かせる。花盛りの頃には右の写真のように葉(歯)が枯れているので「歯のない姥」ということらしいが、葉っぱは左のように残っていることが多いようだ。
車台の駐車場を後に登山口へ向かう。
ダイコンソウ(大根草) は、バラ科ダイコンソウ属の多年草。日本全国の山地の渓谷や登山道沿いで見られる。根出葉がよく見るとダイコンの葉に似ている。
キツネノボタン(狐の牡丹)は、キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。日本全土の山野の湿地、畦などに生える。実の形(写真右の左上)からコンペイトウグサとも呼ばれる。ウマノアシガタなどと同様、キンポウゲ属共通の毒をもつ。
バライチゴ(薔薇苺)は、バラ科キイチゴ属の落葉小低木で本州(中部以西)~九州の山地に生える。キイチゴ(木苺)の仲間で赤い実は甘酸っぱい。
右は、ハナタデ?かと思ったけどちょっと違う。タデ科の植物に見えるけど・・・。
登山口は標高1240mの矢筈峠。取っ付きは、向かって右側の小ピーク(標高点 [・1293] )南から西を巻く。
ハガクレツリフネ(葉隠釣舟)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の1年草で本州(紀伊半島)・四国・九州の山地の林下や沢沿いの湿った場所に自生する。花が葉の下に隠れるようにぶら下がって咲く。
野菊の仲間は種類が多くてよく分からない。シオン属の野菊だと思うけど、葉が細長く、大き目の筒状花と白く細長い舌状花がきれい。
ノリウツギ(糊空木)は、ユキノシタ科アジサイ属の落葉低木。北海道~九州に広く分布し、山地の林縁などに自生する。沢山の小さな両性花と少しの装飾花をつける。名前の由来は樹液を製紙用の糊に利用したことによる。
ササの花?が咲いていた。
左のキノコはロート型でねずみ色、ヒダはない。右は表面の筋に沿ってヒダがあり、2本に一つはヒダの幅が広い。よく見かけるようで分からないキノコ2種。
セトウチホトトギス(瀬戸内杜鵑草)は、ユリ科ホトトギス属の多年草で瀬戸内海を囲む近畿・中国・四国の山野の林内、林縁に自生する。ヤマジノホトトギスそっくりだが花被片の下部(蜜標)が黄色く雌しべの花柱と雄しべの花糸にも紫斑があることから別種とされる。「セトウチ」なのに太平洋側にも咲いている。
イヌトウバナ(犬塔花)はシソ科トウバナ属の多年草で、北海道・本州・四国・九州に分布し山地の木陰を好む。似たものに葉が細長いヤマトウバナがある。
オトギリソウ(弟切草)は、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草。北海道~九州の山野に自生している。山ではタカネオトギリの方が目立つ。
登山道に甘い匂いを漂わせているのはリョウブの花。
リョウブ(令法)はリョウブ科リョウブ属の落葉小高木で北海道南部から九州に分布し山林に多く見られる。古くから若葉は食用とされ、花には蜜が多いのでミツバチなどが集まる。幹は茶褐色で樹皮が剥げ落ちるのでよく目立つ。
雨水に浸食された登山道を登って行くと、標高が上がるに従い背の高いササ(スズタケ、クマザサ?)から背の低いササ(ミヤマクマザサ?)に替わってくる。
ヨツバヒヨドリ(四葉鵯)は、キク科ヒヨドリバナ属の多年草。ヒヨドリバナの仲間で葉が4枚(3~5枚)輪生し、花の色は白~淡紫色。
ヒヨドリバナ(鵯花)は、キク科フジバカマ属の多年草で北海道~九州の山野に生える。花の色はヨツバヒヨドリと同じく白~淡紫色。
ヨツバヒヨドリ(左)の葉は3~5枚輪生し、ヒヨドリバナ(左)の葉は対生する。
シコクフウロを矢筈山で見たのは初めてじゃないかな?この時期あまり登っていない証拠か?
シコクアザミ(四国薊)は、キク科アザミ属の多年草。四国の山地で普通に見られるアザミで葉に鋭い棘があり触れると痛い。トレランの時は気をつけよう。
タカネオトギリ(高嶺弟切)は、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草で四国と九州の山地に分布。稜線付近の登山道沿いでよく目にする。直径2cm前後の花はトモエソウにはかなわないが、オトギリソウより2回りほど大きい。
イブキトラノオ(伊吹虎の尾)は、タデ科イブキトラノオ属の多年草。北海道~九州の山地帯~高山帯に分布し、日当たりのよい草地に自生している。
立秋の頃から咲き始めるツリガネニンジン(釣鐘人参)は、キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草で四国の山では稜線付近の笹原でよく見られる。山はすでに秋の気配が漂っている。
山頂付近はガスに覆われ、視界は20~30m程度。
稜線の分岐を右(東)に150mで矢筈山山頂。左は小桧曽山への縦走路。
50分で山頂到着。晴れていれば見えるはずの天狗塚や三嶺も全く見えない。
三角点をテーブルに手前の石に腰を下ろす。下界より10℃ほど低い天然クーラーつきのテラスでランチタイムにしよう。
今日の一杯は、日清「錦織圭監修 カップヌードル ブイヤベース風 シーフードヌードル」。
「シーフードヌードルが好きな本人の希望にそった、ブイヤベース風にアレンジしたカロリー控えめのシーフードヌードル」ということでシーフードとブイヤベースなので違和感のない味に仕上がっている。エネルギー198kcal、食塩相当量4.6gと、カロリーや塩分が気になる人にもお勧め。
展望のよい小さな広場から「見えない稜線」に目をやってから下山開始。
しっとりした森も「悪くない」けど、「青空に入道雲」の夏らしい天気がもっとあってもいいような気がするのは自分だけではないだろう。
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