筑波山の標高は百名山の中では最も低く、877mと三嶺の半分にも満たないが、だだっ広い関東平野にすっくと立つ姿は始めてでも見間違うことは無い。ロケーションが良いのでアマチュア無線用のレピータも設置されている。男体山(871m)と女体山(877m)の双耳峰のりっぱな山容は独立峰に見えるが八溝山地(やみぞさんち)の最南端ということになる。
<「オークラフロンティアホテルつくば」の客室から見た筑波山>
■行先・位置
筑波山 (男体山 標高点 871m ・ 女体山 一等三角点 [筑波山] 877m)
茨城県つくば市、北緯36度13分31秒・東経140度06分24秒(女体山)
■コースタイム
筑波山神社 8:49(35分)→ 男女川源流 9:24(19分)→ 御幸ヶ原 9:43(6分)→ 男体山 9:49/9:56(8分)→ 御幸ヶ原 10:04(10分)→ 女体山(筑波山山頂)10:14/10:36(18分)→ 弁慶茶屋跡10:54(14分)→ つつじヶ丘11:08
【筑波山神社 → 男体山 1時間00分 男体山 → 女体山 18分 女体山 → つつじヶ丘 32分 計 1時間50分】
■コース水平距離 5.4km ■天気 晴れ
■楽しさ ★★★★★(満点!)
参考:MAPPLE「山と高原地図」のコースタイムは 3時間50分
時間があればついでに登りたいと思いコースや所要時間などの下調べをしておいたのだが、大震災の影響でケーブルカーもロープウェイも止まっていた。もともと歩いて登る積もりなのでそのことは問題無いが、肝心の登山道が「入山禁止」となっている。山行2日前の 26日(土)にはケーブルとロープウェイが運行を再開したのに登山道は相変わらず「入山禁止」のままだ。
当日朝、ホテルを出て駅まで行ってみると筑波山への直行バスも3月いっぱい「運休」となっていた・・・・・・。仕方が無いので手前の「筑波山口」行きのバスへ乗った。
<バスの車窓から見た筑波山>
筑波山口から筑波神社入口を経てつつじヶ丘へ行くバスは、便数が少なく接続があまりよくないので予定の行程「おたつ石コースを登り御幸ヶ原コースを下山(つつじヶ丘 → 女体山 → 男体山 → 筑波山神社)」を逆にして手前の筑波山神社までタクシーに乗った。ロープウェイのあるつつじヶ丘の方が筑波山神社より標高が高いので時間短縮を狙っていたのだが、自分の場合、どっちでもあまり関係ないようにも思えるし、本来は表参道を登るべきだろう。その上、タクシー代も節約できる(筑波山口~筑波山神社は約 1,200円)。
登山道とケーブル、ロープウェイはほぼ平行しており、ケーブルがOKで歩いちゃダメというのもおかしな話で、タクシーの運転手さんも同じことを言っていた(入山禁止で客も減っているのだろう)が、登ることは一応黙っておいた。
普通の観光客を装うためカリマーのザックは駅のコインロッカーに預け、ログを取るためのGPSとカメラ、コース図のみポケットに突っ込んで来た。真昼間の筑波山で遭難もしないだろうが、道迷いは結構多いらしい。
筑波神社で GPSのスイッチをオンにして登山開始。
登山口にはこんな看板が・・・・・・。
ケーブルの駅をそーっと通過、もし声を掛けられたら「無視しようか?、逃げようか?」などと考えていたが、幸い誰にも声をかけられなかったし、下山するまでに 10人ほどの登山者にも遭遇した。な~んだ、いるじゃん、いるじゃん!心配して損した。
御幸ヶ原コースで出合った青年も「入山禁止っていうからビビッていたけど登山って自己責任ですよね。」と言っていた。まあ、人に迷惑を掛けてはいけないがそのとおりだ。
ケーブルの路線に近づいたり離れたりしながら樹林帯の広い登山道をひたすら登る。山頂までの標高差は約 700mで「山と高原地図」のコースタイムは 2時間となっている。ケーブルは中腹にトンネルが有り、登山道はここでケーブルの右側から左側に移る。左に移るとやがて男女川(みながわ)の源流へと着く。
筑波山は万葉の時代から歌垣の場と知られ、多くの歌に詠まれた万葉の山であり恋の山だという。その中でも男体山、女体山の二峰の間から流れ落ちる男女川(みなのがわ)は百人一首の
「筑波嶺(つくばね)の峯よりおつるみなの川
戀(こひ)ぞつもりて淵となりぬる」
で知られる。この歌は後撰集に載る陽成院(ようぜいいん)が綏子(すいし)内親王に送ったラブレターで「筑波山から流れる男女川の水が積もって淵となるように、あなたへの恋心が積もり積もって淵となりました」という意味だそうな。
男女川源流から最後の急登を一気に登ると御幸ヶ原に着く。ケーブルカーの駅と土産物屋、食堂などが並ぶ御幸ヶ原に人影は少ない。右奥が男体山。
標高 800mの御幸ヶ原付近から上には木々の間に笹原も見られる。御幸ヶ原から男体山までは 10分前後で登ることができる。
山頂の男体山御本殿には筑波男大神(つくばおのおおかみ)が祀られる。
<男体山から望む関東平野>
男体山から望む女体山、稜線上にアンテナが並び山頂の右下(南)にロープウェイの駅が建つ。御幸ヶ原へ戻って女体山(筑波山山頂)へ向かう途中にはガマの油売りで有名な「ガマ石」がある。
「日本百名山 筑波山 標高八七七m」と書かれた標柱と筑波女大神(つくばめのおおかみ)を祀る女体山御本殿のある筑波山山頂。
一等三角点から円錐形の男体山を望む。男体山手前の建物のある鞍部が御幸ヶ原で、その左側を登ってきたことになる。
見晴らし抜群の山頂から筑波研究学園都市など広大な関東平野を一望する。
女体山からの展望をゆっくりと楽しんでつつじヶ丘へのルートを下る。山頂付近の岩場を少し下るとブナやカエデの気持ちよいトレイルとなる。
北斗岩や出船入船、母の体内くぐり、弁慶七戻りなどの奇岩が次々と現れる。
弁慶茶屋跡で筑波山神社からの白雲橋コースを右に分け、おたつ石コースを標高約520mのつつじヶ丘へと下山した。ロープウェイと女体山の尖った山頂が見える。
つつじヶ丘から筑波山口まで1人で貸切状態のバスへ乗った。筑波山口からは朝と同じルートを帰るバスに接続でつくば駅まで約50分だ。午後は早めにつくばエクスプレスと山手線で東京駅へ。
夜行列車出発までのひと時は夕食を兼ねていつもの「文蔵」へ。丸の内ガードしたの「鍛冶屋 文蔵」は「丸の内店」とあるのでチェーン店なのだろうが、夕方には丸の内のサラリーマンでいっぱいになる。
何度か座ったことのある窓際のカウンターで外を眺めながら一杯やる。よく冷えた陶器のジョッキに注がれたビールが最高!
サンライズエクスプレスは 14両編成で東京駅を 22時に発車する。 9番ホームが春休みの親子連れの記念撮影で賑わう発車前のひととき。
行きと同じ2階建ての個室シングルだけど、帰りは上の階だった。翌朝、6時27分に岡山に到着した列車は 7両ずつに分割され、「サンライズ瀬戸」は瀬戸大橋線を高松へ、「サンライズ出雲」は 伯備線を出雲市へと向かう。右の写真は「瀬戸」の発車後、ホームに停車中の「出雲」。
高知は桜の季節を迎えた。
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