■ 10月5日(土) ■
山旅3日目(登山2日目)は、鳳凰三山を縦走後、鳳凰小屋で一休み。
4つの滝を巡ってドンドコ沢沿いに青木鉱泉へ下山、大町圭月ゆかりのお湯で汗を流して、甲府市内で反省会。
<鳳凰三山の最高峰・観音岳山頂>
■行先・位置
鳳凰山(鳳凰三山)
薬師岳 (標高点 [・2780] 2,780m)
山梨県韮崎市、北緯35度41分45秒・東経138度18分42秒
観音岳 (二等三角点 [観音岳] 2,840.4m)
山梨県韮崎市・南アルプス市、北緯35度42分06秒・東経138度18分17秒
地蔵岳 (標高点 [・2764] 2,764m)
山梨県韮崎市・南アルプス市、北緯35度42分43秒・東経138度17分55秒
■コースタイム
南御室小屋テント場 6:21(37分)→ ガマ岩 6:58/7:03(20分)→ 砂払岳 7:23/7:26(6分)→ 薬師岳小屋 7:32/7:45(8分)→ 薬師岳(山頂道標)7:53/8:09(2分)→ 薬師岳山頂(標高点 [・2780] )8:11/8:13(2分)→ 薬師岳(山頂道標)8:15(24分)→ 観音岳 8:39/8:46(15分)→ 鳳凰小屋分岐 9:01(36分)→ 赤抜沢ノ頭 9:37/9:41(5分)→ 賽ノ河原 9:46(10分)→ 地蔵岳(オベリスク基部) 9:56/10:05(6分)→ 賽ノ河原 10:11/10:12(21分)→ 鳳凰小屋 10:33/11:20(26分)→ 五色ノ滝 11:46/11:48(17分)→ 白糸ノ滝 12:05/12:08(28分)→ 鳳凰ノ滝分岐 12:36(7分)→ 鳳凰ノ滝 12:43/12:44(7分)→ 鳳凰ノ滝分岐 12:51(23分)→ 南精進ヶ滝分岐 13:14(3分)→ 南精進ヶ滝 13:17/13:18(2分)→ 南精進ヶ滝分岐 13:20(53分)→ 青木鉱泉 14:13
【5時間19分/標準コースタイム 8時間45分(山と高原地図)】
(5時間58分/薬師岳標高点 [・2780]・オベリスク・滝見物含む)
※コースタイムは、登山コースの区間所要時間で休憩時間は含まない。
■コース水平距離 13.4㎞(標高差 -1386m)
■天気 雨
■楽しさ ★★★★★(満点!)
南御室小屋テント場から薬師岳、観音岳(鳳凰山)、地蔵岳を縦走し、鳳凰小屋を経て青木鉱泉へ下山するまでの行程。
【水平距離13.33㎞、沿面距離14.71km、累積標高差(+)898m (-)2284m】
※鳳凰小屋から青木鉱泉手前までの間は高度情報が合っていない。
夜中の0時00分丁度、雨音に目が覚めた。
6時前から寝ているので既に6時間たっている。
それから、うつらうつらしながら夜明けを待った。
できれば 「5時ぐらいに出発したい・・・」 と思っていたのだが、雨がしとしとと降り続いているのでテントから出るのが億劫だ。
(雨の中でテントをたたむのはいやだな)
とりあえず腹ごしらえをして、荷物をザックに詰め込みレインウェアを着込む。
隣の人がテントをたたんで出発したのに促され、意を決して外へ出た。
テントをたたんで水がしたたらないように資源ゴミ袋へ放り込む。
件の2人連れは 「下りましょう。」 「そうしましょう。」 などと話している。
(確かにあのペースだと日が暮れてしまう・・・)
6時21分、テント場を出発、小屋の横から苔むした森の中へ入る。
レインウェアを着た状態で汗を掻きたくない。
ゆっくり、ゆっくり。
6時58分、「ガマ岩」 という岩のあるポイントに着いた。
隣の岩も展望がよいのだろう。
踏み跡があったので登ってみたが、視界は利かなかった。
森林限界を越えると、視界が急に開けた(と言っても遠くは見えない)。
「おおーっ!」 アルプスらしくなってきた。
巨石が散在する砂礫の斜面を砂払岳に向かって登る。
7時23分、テン場から1時間02分(休憩含む)で砂払岳の小ピークに着いた。
山頂の岩に登ってから砂払と薬師岳との鞍部に立つ薬師岳小屋へ下る。
ウラシマツツジ(裏縞躑躅)は、ツツジ科ウラシマツツジ属の落葉小低木で北海道・本州(中部以北)に分布し、高山帯の砂礫地に生育する。
アオノツガザクラのような淡い緑色の花をつける。
眼下のハイマツ帯の下にダケカンバとナナカマドの黄葉が広がる。
(晴れてたらきれいだろうなあ・・・)
7時32分、南御室小屋から1時間11分(休憩含む)で薬師岳小屋についた。
「この周辺には クマは出ません」 という張り紙があった。
(川向かいの濃鳥岳では見たんだけど・・・)
7時53分、小屋から数分で「薬師岳山頂」の道標に着いた。
ここには、縦走路と青木鉱泉にダイレクトに下る中道コースの分岐がある。
辺りを見回すと 「← カンノンジゾウ」 と左を指すペンキが目に付いた。
「カンノンジゾウ?」(地蔵さんがいるなら拝みにいかなくては・・・)
もし、このとき晴れていたなら 「カンノンジゾウ」 が 「観音岳」 のことだとすぐに分かったはずなのだ。
200mほど先まで下って探してみたものの、見あたらないので戻ってきた。
そうか 「カンノンジゾウとはカンノンダケのことか」・・・なのだ。
そのことはさておいて、
道標に 「薬師岳山頂 2840m」 とあるが、山頂ではない。
道標から東微南30mに尖がった岩の小ピーク、そして、東北東100mに岩が散在する 「少し高そう・・・」 なピークがぼんやりと見える。
8時11分、薬師岳山頂と思われる場所に行ってみた。
(道標は何もない・・・が、やはり少し高い)。
山頂と思われる場所の1番高い岩に登ってみると、丸い穴があった。
10数m低いと思われる 「薬師岳山頂」 の道標(中央奥)を見下ろす。
後で地形図を確認すると、こちらが標高点 [・2780] 「薬師岳」となっていた。
分岐に戻って 「カンノンジゾウ」 を探した道を観音岳へと向かう。
観音岳らしきピークが見えてきた。
8時39分、薬師岳山頂道標から24分で観音岳に着いた。
鳳凰三山の最高峰 「観音岳」 には三山で唯一の三角点が設置されている。
<基準点の概要>
●基準点コード:TR25338424401
●等級種別:二等三角点
●冠字選点番号:人5
●基準点名:観音岳
●標高:2840.4m
8時46分、三山最後の地蔵岳を目指して観音岳を出発!
悪天候で殺風景な岩稜地帯にウラシマツツジの紅葉が映える。
振り返ると、雨に煙る観音岳はもう雨で霞んでしまった。
9時01分、観音岳山頂から15分で鳳凰小屋への分岐がある鞍部を通過。
岩稜と砂礫のアップダウンを越えて、赤抜沢ノ頭へ向かう。
9時14分、観音岳と赤抜沢ノ頭との最低鞍部まで下ってきた。
赤抜沢ノ頭に向かって登り始めると、見たことのない花が目に入った。
「おっ!?」
「もしかして?」
「タカネビランジ?」
タカネビランジは、ナデシコ科マンテマ属の多年草で南アルプス固有種。
不破哲三さんの著書 「私の南アルプス」 で名前を知った花だ。
見たかった花なので会えてよかった。
石灰岩の尖がった岩塔が林立する赤抜沢ノ頭への登りルート。
9時37分、観音岳から51分(休憩含む)で赤抜沢ノ頭の道標がある分岐(標高点 [・2750] )に着いた(写真左の中央奥=写真右)。
ただし、分岐の手前100m(写真左手前)の等高線が1つ多いので、手前の小ピークが赤抜沢ノ頭の 「最高点」 ということになるようだ。
おおー! 「あれがオベリスクか!」
賽ノ河原に下ってオベリスク(標高点 [・2764])に向かって進む。
薬師岳や観音岳のように 「山頂」 の道標は見当たらない。
山頂はやはり 「オベリスクのテッペン!」
ということになるんだろうなあ・・・。
オベリスクの基部付近のお地蔵さん。
下からオベリスクを見上げていると、雨足が強くなってきた。
(登れる所まで登ってみようか・・・。)
踏み跡を登っていくと、テッペンの2つに割れた岩が近づいてきた。
(どこから登ったらいいのだろう・・・)
裏側のこの割れ目がウェストンが最初に登ったというルートだろう。
天気が良いときにクライミングシューズがあれば登れるかもしれない。
オベリスク裏側(北側)直下の展望。
「ホーオ 三山 FIJI. T.O.Y」 と書かれた小さなプレートがあった。
オベリスクの基部まで攀じ登ってはみたものの、
岩のテッペンは諦めるしかないようだ。
賽ノ河原に戻って道標を確認し、砂浜のような登山道をジグザグに下る。
(このコースはあまり登りたくない・・・)
ダケカンバからシラビソの林に入って、ザックカバーがないことに気が付いた。
100~200mほど戻って探したものの見当たらないので諦めることにした。
(オベリスクの下りで外れた可能性が高いな・・・)
地蔵岳まで戻る気にはならない。
10時33分、地蔵岳から21分で鳳凰小屋(標高点 [・2382])に着いた。
(いい雰囲気の小屋だな)
ご主人もアルバイトの女子も親切で話し好きで、感じの良い小屋だった。
少し長めに雨宿りして、とりあえず 「レギュラーガソリン」 を補給。
(この小屋はまた来てみたいな・・・)
「天候も悪いので、御座石温泉へ下る方が早くて楽だよ。」
ご主人がアドバイスしてくれたのだが、予定通り青木鉱泉へのコースを選択。
滝を見たいし、大町桂月ゆかりの青木鉱泉にも寄ってみたい。
11時20分、小屋の皆さんに見送られて鳳凰小屋を後にした。
11時46分、鳳凰小屋から26分で五色ノ滝に着いた。
ドンドコ沢の登山道は思った以上に急できつい!
五色ノ滝は登山道のすぐ側から見ることができる。
12時05分、五色ノ滝から17分で白糸ノ滝に着いた。
白糸ノ滝も登山道から近かったのでよかった。
12時36分、白糸ノ滝から28分で鳳凰ノ滝分岐に着いた。
道標には 「鳳凰ノ滝 200m 5分」 とある。
(ちょっと遠いけど、めったに来ることないから・・・)
鳳凰ノ滝へは急いだのに、登山道の分岐から7分もかかってしまった。
「けっこう、遠かった~ (>_<)」
初めはハイペースで下っていたが、長くきつい坂に疲れてきた。
(このコースは登りたくないな・・・)
13時14分、鳳凰ノ滝分岐から23分で南精進ヶ滝の分岐に着いた。
左が青木鉱泉、右が南精進ヶ滝。
こうなったらやけくそだ、道標のある滝は 「全部寄ってやろう!」
南精進ヶ滝は、分岐から3分と、割と近かったし見応えがある滝だった。
「滝が連続するルート」=「流れが急」=「登山道も急」 ということだ!
美味しそうなキノコはムキタケ?
苔むして、いい雰囲気を出している道標。
やっと勾配が緩くなった(もう、歩くのが嫌になっている)。
小武川第三砂砂防堰堤に出た~。
左岸の法面工事現場を避けるやめ一旦右岸へ迂回する。
バスへ乗るのるまでに濡れたザックやカッパの始末をしたい。
(青木鉱泉に東屋があったらいいな・・・)
登山口に東屋などの休憩所があると、天気がよくても悪くても重宝するのだ。
「やっと着いたー!」
14時13分、青木鉱泉に下山。
建物の近くにコカコーラの自販機と大きな東屋(休憩所)があった。
下山後のコーラもいい!
テントやカッパをビニール袋(資源用ゴミ袋)に詰めなおしたり、ザックを拭ったり、塗れた装備の後始末をしているうちに15時近くなっていた。
「(15時発の)バスが来てますよ。」
もう1人の方が教えて下さったのだが、結局見送った・・・。
JRに乗り継いで甲府まで1時間半としても少し早いし、夜行バスの発車時刻、22時10分まで時間をもてあましそうだ。
それよりなにより、「風呂に入りたい!」のである。
高知出身の大町桂月も、定宿としてしばしば利用したという青木鉱泉。
ゆっくり風呂に浸かって、17時発のバスまで過ごすことにした。
大町桂月(おおまち けいげつ) 1869~1925
明治・大正期に活躍した文芸評論家・詩人・随筆家。
人生のわびさびを語り、酒と旅を愛したことで知られる。
大町桂月は登山家としても知られ、農鳥岳山頂には
「酒のみて 高根の上に吐く息は ちりて下界のあめとなるらん」
という歌碑が建てられている。
1,000円の入浴料を払って浴室へ。
ひなびた温泉場という雰囲気でなかなかいい感じ。
泉質は緑磐泉で鉄分が多く、とても良く温まるという。
湯加減も 「ちょうど!」
汗を流してゆっくりしたら、下ってきたドンドコ沢コースと薬師岳の中道コースを右に見ながらバス乗り場へ。
バスの料金は運賃1,500円プラス荷物代200円で1,700円。
未舗装の林道なのでバスが壊れそう。
揺れるし乗り心地はあまり良くない。
韮崎駅までの約1時間、1人きりの貸切でなんだか申し訳ない感じ。
バスは18時前に韮崎駅に着いた。
韮崎駅以東は、モバイルSuicaが使えるので、スマートフォンでタッチ&ゴー!
利用頻度が低くても 「おさいふ」 が必須なので iPhone は買えない。
韮崎駅から18時05分発の塩山行き普通列車に乗って14分で甲府着。
さて、どこか適当な居酒屋を見つけなければ・・・。
うろうろした後、南口からも程近い場所で見つけた 「よさそう!」 な店は、
〔一丁目 SAKABA かんすけ〕
まず、ザックを背負った登山者を気持ちよく入れてくれた雰囲気がよかった。
混み合う店内のカウンターに腰を落ち着けたら、「とりあえず、ビール」 を。
山行を振り返りながら飲むビールが 「旨い!」
「B級グルメ№1 トリモツ」 旨い!
「白州から届きました!! ソーセージ4種盛り」 これまた旨い!
「宮崎から届きました!! 宮崎地鶏 皮炙り炭火風」 旨い!
お客さんが次々と入ってきて、人気が高いことが分かる。
「馬刺し」 旨い・・・。
なんだか、肉系ばかりやねー (^^;)
生中5杯、グラスワイン2杯、升酒1杯でお勘定は7,980円也。
升酒の左は水、「気が利いている。」
料金は想定内だが、一人でよく飲んだなあ (^^;)
締めにお茶を出してくれるところも 「気に入った」 のである。
お勘定を済ませ、ようやく腰を上げたのは22時少し前。
復路は近鉄バスのようだ。
■ 10月6日(日) ■
山旅最終日は、夜行バスを地下鉄東梅田駅前で下車、大阪駅から新大阪まで普通列車で移動し、「のぞみ」と「南風」を乗り継ぎ高知へ帰るだけ。
クリスタルライナーは、明朝7時10分頃、地下鉄東梅田駅7番出口に着いた。
ザックを受け取ったら、地下道を通ってJR大阪駅へ向かう。
7時30分発の普通列車 「京都行き」 で新大阪へ移動。
駅弁とビールを買って新幹線ホームへ。
「のぞみ97号」の車内で 「日本の朝食弁当」 と 「朝日ビール」の breakfast。
車内販売のコーヒーを飲み終わる頃に岡山に到着。
岡山からは、8時51分発 「南風3号」 中村行きに乗車。
世界初の振り子式気動車、日本初の制御付振り子式車両として登場した 2000系 「南風」 も1990年11月の運用開始から20年以上経過している。
予讃線に使用されている2000系の老朽取替のため、8600系特急形直流電車が新造されるようだが、開発中とも言われる特急型気動車はどうなるのか。
テントを 「干す」 には絶好の日和で、昨日とは大違い。
ザックや洗ったレインウェアもきれいに乾いて、後片付けは順調に終わった。
出発日当日に切符が買えたので、急遽出かけた鳳凰三山。
行動中の天気はイマイチだったけど、満足できる 「山旅」 だった。
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