■ 9月22日(日) ■
山旅4日目(登山3日目)は、槍ヶ岳山荘を早立ちし、大喰岳を経て中岳へ、
中岳で御来光を拝んだ後、稜線分岐から氷河公園を巡って槍沢コースに合流し槍沢ロッジを経て上高地へ帰るまでの行程。
<日の出前の槍ヶ岳>
■行先・位置
大喰岳 (標高点 [・3101] 3,101m)
長野県松本市・岐阜県高山市、北緯36度26分09秒・東経137度38分46秒
中岳 (標高点 [・3084] 3,084m)
長野県松本市・岐阜県高山市、北緯36度19分47秒・東経137度38分48秒
■コースタイム
槍ヶ岳山荘 3:48(28分)→ 大喰岳 4:16/4:23(40分)→ 中岳 5:03(御来光)/5:41(18分)→ 鞍部 5:59(朝食)/6:20(32分)→ 稜線分岐 6:52/6:55(1時間12分)→ 天狗原 8:07/8:15(18分)→ 天狗池 8:33/8:45(29分)→ 天狗原分岐 9:14/9:17(31分)→ 水俣乗越分岐 9:48(23分)→ ババ平 10:11(20分)→ 槍沢ロッジ 10:31(ビールタイム)/10:47(27分)→ 一ノ俣 11:14(37分)→ 横尾 11:51/12:02(45分)→ 徳沢 12:47(昼食)/13:18(44分)→ 明神 14:02/14:08(9分)→ 穂高神社・明神池 14:17(観光)/14:31(46分)→ 河童橋 15:17(2分)→ 西糸屋山荘 15:19
【8時間41分/標準コースタイム 10時間55分(山と高原地図)】
※コースタイム、標準コースタイムともに休憩時間は含まない
※11時間31分(休憩・朝食・昼食・御来光待ち含む)
■コース水平距離 24.0㎞(標高差 -1560m)
■天気 晴れ
■楽しさ ★★★★★(満点!)
槍ヶ岳山荘から大喰岳・中岳を縦走し、氷河公園(天狗原・天狗池)を経て上高地へ下山するまでの行程。
【水平距離24.00㎞、沿面距離24.52km、累積標高差(+)626m (-)2192m】
起床は3時前、廊下やトイレには常夜灯が灯っているので安心。
身支度を整え山荘を出発したのは3時48分。
気温は霜柱ができるほどで、じっとしてると寒い。
朝食は夕べのうちに弁当にしてもらってある。
というのも、今日は、稜線上での日の出や天狗池など少し欲張った行程なのだが、上高地にはなるだけ早く下りたいからだ。
テント場を抜け、飛騨乗越まで下ると大喰岳への登りとなる。
暗いのでゆっくり前進。
4時16分、山荘から28分で大喰岳山頂(標高点・3101)に到着。
槍ヶ岳のシルエットとテントの明かりを確認したすぐに出発。
中岳山頂が近づく頃と東の空がオレンジ色に染まり始めた。
5時3分、大喰岳から40分で中岳山頂(標高点・3084)に着いた。
分岐のすぐ東側が山頂。
紫色の空に、いよいよ朱が混じり始めた。
日の出まで30分ほどあるが、ご来光は中岳山頂で待つことにした。
5時12分、日の出20分前の槍ヶ岳(ISO 6400で撮ったので少し荒れている)。
5時17分、富士山や南アルプスの青い稜線が見え始めた。
5時24分、日の出直前の槍ヶ岳。
5時25分、中岳から真東に横通岳、常念乗越、常念岳の稜線が見える。
5時28分、日の出直前の槍ヶ岳。
5時30分、日の出直前、雲も体も赤く染まる。
5時32分、常念岳の少し左から陽が登り始めた!
5時33分、常念岳と御来光。
5時35分、神々しい御来光!
5時36分、日の出直後のモルゲンロートで赤に染まる槍ヶ岳。
5時37分、モルゲンロートの穂高連峰。
5時40分、明るくなった槍ヶ岳(5時40分38秒)。
「さあ、そろそろ出発しようか!」
5時41分、ご来光を拝んだら、前方に穂高を見ながら中岳を出発!
朝食は少し下った先の風の吹かない鞍部がいいだろう。
蒲田川を挟んで西に聳える飛騨の名峰、笠ヶ岳に陽が射してきた。
6時00分、中岳から下ること18分の標高点 [・2986] との鞍部で朝食をとった。
早朝から行動しているので、もうおなかぺこぺこ。
竹の皮に包まれた槍ヶ岳山荘名物の「ちまき弁当」がなななかいい味!
朝食を済ませて6時20分に鞍部を出発。
標高点 [・2986] までに、ちょっとした岩場の通過がある。
稜線の西には、すっかり明るくなった笠ヶ岳と遠くに白山。
6時52分、中岳から50分(朝食時間除く)で主稜線と天狗原の分岐に着いた。
標高点 [・2986] と南岳(三等三角点 [北穂高] 3,032.7)との鞍部にあるこの分岐から横尾尾根上部の小さな尾根を東に下る。
中央下に横尾尾根、右下に屏風岩、奧には常念岳と蝶ヶ岳の稜線。
6時55分、天狗原に向かって出発。
右手に北穂と前穂の岩稜や遠く南アルプスの稜線を見ながら尾根を下る。
ルートは横尾尾根上部、標高点 [・2729] との鞍部を左へ折れる。
まだ花が残っていたコイワカガミとアオノツガザクラ。
コイワカガミ(小岩鏡)は、イワウメ科イワカガミ属の多年草。九州から北海道の高山の岩場や草地に生えていて、イワカガミの変種(高山型)とされている。
アオノツガザクラ(青の栂桜)は、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木で北海道・本州(中部以北)に分布し、高山帯の雪渓近くで見かける。
並んで腰を下ろせる岩の上で槍ヶ岳を見ながら一休み。
3日間とも天気がよくてよかった。
槍ヶ岳を左に見ながら天狗原へと下る。
色づき始めたウラジロナナカマドと槍ヶ岳。
春先の雪がまだ残る天狗原の氷河公園。
天狗原から稜線へ登る登山者の方にシャッターを押していただいた。
「旅の恥は掻き捨て」とは言え、団体でやると少し恥ずかしいような気も (^^;)
ウラジロナナカマドと槍ヶ岳。
槍ヶ岳周辺の標高2500m付近には野生のブルーベリーが多い。
クロウスゴ(黒臼子)は、ツツジ科スノキ属落葉低木。
6~7月に壺型の淡い緑から淡い紅色の花を咲かせ、秋に黒い実を付ける。
クロウスゴの実は花の落ちた痕が五角形の臼の様に凹んでいる。
甘酸っぱくてそのまま食べても美味しいし、ジャムや果実酒にもなるが、高山植物なので沢山採ってはいけない
天狗原を天狗池へと下る。
チングルマ(珍車、稚児車)は、バラ科チングルマ属の落葉小低木で北海道・本州(中部以北)の高山帯に分布し雪渓周辺の草地や砂礫地に生える。
花が終わって花柱が放射状に広がって、葉が紅葉している。
ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)は、キク科アキノキリンソウ属の多年草で北海道・本州(中部以北)の亜高山~高山帯の草地、砂礫地に生える。
アキノキリンソウの高山型で別名はコガネギク。
ウサギギク(兎菊)は、キク科ウサギギク属の多年草で本州(中部以北)・北海道の亜高山帯~高山帯に分布、由来は葉の形がウサギの耳に似ているから。
ミヤマリンドウ(深山竜胆)は、リンドウ科リンドウ属の多年草。
北海道・本州(中部以北)の高山帯のやや湿り気のある草地に自生する。
天狗原付近でよく見かける
<天狗池と逆さ槍・縦>
天狗原分岐から天狗池を見に来る人が多いので、ギャラリーは20人近い。
<天狗池と逆さ槍・横>
ツバメ岩の上部はダケカンバの黄葉が美しい。
ツバメ岩と赤い実のウラジロナナカマド。
クロトウヒレン(黒唐飛廉)は、キク科トウヒレン属の多年草で日本固有種。
本州(東北南部~中部)の主に日本海側に分布し、高山の草地に生える。
分類上は、シラネアザミ(白根薊)の変種とされ、基本種に比べると花がやや大きく、花柄がない点が特徴。
よく見ると、ハクサンフウロには何かの幼虫がとまっている。
天狗原分岐付近のチングルマと槍ヶ岳。
そろそろ槍ヶ岳の姿も見えなくなる。
9時14分、天狗池から29分で天狗原分岐を通過。
山荘から直接下ってくると 1時間40分の行程だが、遠回りしたので 3時間57分(5時間27分:休憩・朝食・御来光待ち時間含む)のコースタイム。
9時48分、天狗原分岐から31分で水俣乗越分岐を通過。
10時41分、水俣乗越分岐から23分でババ平の槍沢キャンプ場を通過。
10時31分、槍ヶ岳山荘から 6時間43分(休憩・朝食・御来光待ち時間含む、
歩行時間 5時間11分)で初日に宿泊した槍沢ロッジまで帰ってきた。
おなかも空いたけど、喉も渇いた~!
河原でお昼ね、いいねー!
11時14分、槍沢ロッジから27分で一ノ俣を通過。
おなかが空いているので先を急ぐ。
11時51分、一ノ俣から37分で賑わう横尾まで帰って来た。
ちょっとしゃれている?ので「徳沢ロッジの道草食堂でお昼にしたい!」
というメンバーの要望で横尾ではトイレ休憩のみで出発。
12時47分、横尾から45分で徳沢に着いた!
おなかが空いているので速い速い!
またカレー?と言われても、「手作りカレー」というのが気になる。
食後のデザートにソフトクリームも。
昼食を済ませたら徳沢を出発。
徳沢キャンプ場もなかなか賑わっている。
14時02分、徳沢から44分で明神。
「みんなあ健脚やねー!」
時間は15分ほど長くなるが、同じ道を避けるため右岸側を帰ることにした。
明神から梓川に架かる明神橋を渡って穂高神社の鳥居を潜る。
日本近代登山の父、W・ウェストンの山案内人として知られる上條嘉門次によって明治13(1880)年に建てられた〔嘉門次小屋(かもんじごや)〕は観光客で賑わっていた。
明神池の入口に鎮まる穂高神社奥宮を参拝。
穂高神社の御祭神は穂高見命で、安曇野市穂高の本宮(里宮)のほか、上高地に奥宮、奥穂高岳山頂の嶺宮があり、「日本アルプスの総鎮守」として登山者に親しまれている。
※穂高神社へは拝観料(大人ひとり300円)が必要。
明神池は、梓川の古い流路が明神岳からの崩落によってせき止められてできた池で、一之池と二之池の大小2つからなり、穂高神社の神域となっている。
別名を「鏡池」「神池」とも呼ばれる。
自然探勝路に戻ったら明神池から梓川へと流れ出る沢沿いに歩く。
横尾から平坦な道を10km余り、そろそろ歩くのにも飽きてきた。
岳沢からの小さな沢と岳沢湿原を涵養する善六沢の緩やかな流れ。
岳沢湿原の木道を歩いて、河童橋右岸の袂へ出た。
15時19分、槍ヶ岳山荘出発から※8時間41分で西糸屋山荘に帰ってきた。
ゆっくり風呂につかったら、夕食までの時間は談話室で「岳」を読んだ。
※11時間31分(休憩・朝食・昼食・御来光待ち含む)
夕食の御献は、和え物や沢蟹甘露煮などの前菜に信州サーモン、大岩魚の造り、岩魚姿塩焼き、揚げ出し饅頭、牛ステーキ、サーモン茄子射込み揚げ、銀杏ころも揚げなど。
■ 9月23日(月) ■
山旅最終日は、8時に予約してあるジャンボタクシーで上高地から松本へ出て、9時52分の「しなの6号」、名古屋から「のぞみ25号」、岡山から「南風13号」と乗り継ぎ高知へ帰る予定だったが・・・。
歩行は、西糸屋山荘から河童橋を経て上高地バスターミナル横のタクシー乗場までの、わずか0.6km。
<水平距離0.63km、沿面距離0.63km、累積標高差(+)11m (-)11m>
タクシーを8時に予約してあるので、少し早めに7時からの朝食。
山荘の方にシャッターを押してもらって山荘をあとにした。
河童橋では通りがかりのトレイルランナー?にシャッターを押してもらった。
「また来るぞ~!」
バスターミナル横のタクシー乗場で予約してあったアルプス交通のジャンボタクシーが待っていた。
運転手さんが寄ってくれたので、いつも車窓から見るだけだった大正池の畔に初めて降り立っみた。
JR松本駅西側の「アルプス口」でタクシーを降りてコンコースへ上がる。
お土産は西糸屋で十分買ったはずだけど、また土産屋へ。
名古屋までは、383系制御付き自然振り子式電車の〔ワイドビューしなの6号〕。
ところが、この列車、保安装置が働いたとかで山の中で止まってしまった。
点検が済んで動き出したのは約9分後だ。
名古屋駅の新幹線への乗り継ぎ時間は11分、残り2分しかないのだ!
結局、乗り継ぐことができず、次の列車に席を取ってもらって岡山へ。
新幹線は「まし」だが、南風は「1時間に1本」しかない。
(御嶽山の帰りも10分遅れて駅員に誘導されながら走ったことがあるが、その時は1人だったし、4分残っていたのでかろうじて乗り継いだ。)
名古屋から岡山までは、N700系〔のぞみ107号(25号から変更)〕。
弁当は名古屋駅の定番「みそかつ&エブフリャ~」を食べる予定だったのに、車内販売の、ちょっと高い「特製幕の内」になってしまった。
岡山からは、2000系〔南風15号(13号から変更)〕
指定席は満席だったので、早めに並んで自由席を確保した。
しかし、9分遅れたおかげで、6人分を固めて取ってあった新幹線と南風の席を変更させられた上、帰りが1時間遅くなってしまった。
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