■ 9月21日(土) ■
山旅3日目(登山2日目)は、槍沢ロッジから大曲、水俣乗越を経て東鎌尾根を歩き、槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳山頂を往復するまでの行程。
<槍ヶ岳と北鎌尾根の絶景>
■行先・位置
槍ヶ岳 (標高点 [・3180] 3180m)
長野県大町市・松本市、北緯36度20分31秒・東経137度38分51秒
※山頂の二等三角点 [槍ヶ岳] は、埋設・固定されていないため「亡失」扱い。
■コースタイム
槍沢ロッジ 6:30(27分)→ ババ平(槍沢キャンプ場)6:57/7:05(28分)→ 大曲(水俣乗越分岐)7:33/7:39(30分)→ 休憩 8:09/8:19(25分)→ 水俣乗越 8:44/8:56(11分)→ 写真撮影 9:07/9:17(54分)→ 休憩 10:11/10:26(44分)→ ヒュッテ大槍 11:10(ビールタイム)/11:27(44分)→ 槍ヶ岳山荘 12:11(受付)/12:33(20分)→ 槍ヶ岳 12:53/13:28(20分)→ 槍ヶ岳山荘 13:48
【5時間3分/標準コースタイム 7時間10分(山と高原地図)】
※コースタイム、標準コースタイムに休憩時間は含まない。
■コース水平距離 5.9㎞(標高差 1357m)
■天気 晴れ
■楽しさ ★★★★★(満点!)
槍沢ロッジから大曲、水俣乗越を経て展望の東鎌尾根を槍ヶ岳山荘へ。
槍ヶ岳山荘からは今回の目的地、槍ヶ岳をピストンする。
【水平距離6.57km、沿面距離7.02km、累積標高差(+)1509m (-)243m】
※標高差は槍沢ロッジから槍ヶ岳山頂まで
ロッジの朝食は5時30分から。
空いている席もあるので夕べ(金曜日)はあまり混雑しなかったようだ。
鮭にゴボウのキンピラ、オクラ、出汁巻卵、漬物、味付け海苔、味噌汁の朝食。
ご飯のお代わりでエネルギー充填。
ラジオ体操(ルフィーバージョン)で体をほぐして、6時30分にロッジを出発。
6時57分、槍沢ロッジから27分でババ平の槍沢キャンプ場に着いた。
テント場は、槍沢ロッジが現在地へ移る前の槍沢小屋 があった所で、ロケーションは悪くないが、ロッジから遠いのが難点(生ビールが飲めない)。
気温は7℃と涼しい。
ミヤマシシウド(深山猪独活)は、セリ科シシウド属の多年草。
本州(東北南部~中部)の亜高山帯~高山帯の草地、林縁に分布。
草丈は50~150cmとでかい植物だが、花火のようできれい。
目覚めたとき多かった雲が消え、青空が広がってきた!
天気は期待できそうだ。
ミヤマセンキュウ(深山川きゅう)はセリ科ミヤマセンキュウ属の多年草で北海道・本州(中部以北)に分布、山地帯から亜高山帯の林縁などに生える。
葉の切れ込みと葉柄下部の鞘状の膨らみ、細長い小総苞片などが特徴。
キソアザミ(木曽薊)は、キク科アザミ属の多年草で北アルプス中南部から中央アルプスにかけて分布している。
この辺りに咲いているアザミはほとんどこれだろうと勝手に思っている。
7時33分、大曲の水俣乗越分岐に着いた。
6人グループがゆっくり歩いて槍沢ロッジから55分(63分 トイレ休憩含む)。
3連休なので、遅くなると山頂と山荘が混むことやメンバーの体力差などを勘案し、当初は槍沢コースで計画していたが、メンバーの意見も聞いて展望の良い東鎌尾根を登ることにした。
北鎌狙いだった2011年の夏、悪天候で諦めたので見ていない「水俣乗越から天上沢下るルート」の様子も確認しておきたい!
少し登ると大喰岳~中岳の槍穂主稜線が見えてくる。
「いい天気やねー!」
タケシマランの赤い果実とサンカヨウの青い果実。
ヒロハユキザサ(広葉雪笹)の果実とオヤマリンドウ(御山竜胆)の蕾
オヤマリンドウは、亜高山帯の湿地や草地に生える秋を代表する花の一つ。
休憩中、明日のルートをメンバーにレクチャー。
「明日は、向こうに見える稜線を歩いて、
左の方の小さな尾根を、岩がゴロゴロしている辺り(天狗原)まで下って、
天狗池で逆さ槍を見たら正面のでかい岩(ツバメ岩)の下を通って、
槍沢の登山道に合流する・・・。」
「いいねー !」
「いいねー !! いいねー !!」
「いいねー !!! いいねー !!! いいねー !!!」
かなり高度が上がってきたのでそろそろ水俣乗越の分岐に着くはずだ。
「お~!北穂の小屋が見える~!」
「すごい所に建っちゅうねー。」
8時44分、大曲の分岐から55分(標準コースタイム 1時間30分)で水俣乗越の表銀座縦走路に合流した。
※休憩時間込みで 1時間05分
先行のお2人は、キタカマ行きの男性ガイドさんと女性登山者のペアだった。
「いいねー!」
天上沢の白い川筋や北鎌沢の位置、北鎌のコルの所在が確認できる。
2009年にテントを張った北鎌沢出合い付近も見ることができた。
天上沢への「踏み跡」もしっかりしている。
一息入れたら東鎌尾根に取り付く。
それにしても、丈夫にお肌をガードしてるなあ。
高山の紫外線が強いとは言え、年に1度のアルプスだ。
つばの広い帽子と日焼け止めクリームだけで「なんとかならん?」
燕岳や大天井岳、さらには後立山から白馬岳付近の山々まで見えている。
「岳 みんなの山」を全巻読んだというNさんは、三歩が飲んでいた「燕ブレンド」が印象に残っているらしく、「ツバクロ!ツバクロ!」と連呼する。
「ツバツバ、ツバツバ、・・・」じゃないきましやね (^^;)
「お~!槍が見えてきたー!」
北鎌尾根もくっきり!
(これ以上ない!)と思えるような登山日和♪
「まだ遠いね~。」
「待ってろー!」
ブログ用データは見易さとデータ量からアスペクト比 4:3 のVGAを使っているが、このカットは北鎌尾根と独標が入るように〔K5Ⅱs〕オリジナルの 3:2 にした。
※一眼レフのアスペクト比はフィルム、デジタル共に 3:2 に設定され、コンパクトデジカメはPCの従来型ディスプレーと同じ 4:3 が主流になっている。
位置を変えてもう1枚。
シラタマノキ(白玉の木)は、ツツジ科シラタマノキ属の常緑低木で中部以北の亜高山帯以上の比較的乾燥した場所に生える。
夏に赤身を帯びた白い釣り鐘型の花を咲かせ、秋に白く熟した実を付ける。
実は白い萼が多肉質になって果実を包んだもので、甘酸っぱくサロメチールの独特な味がするので好き嫌いがある。
アカモノ(赤物)はツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木で北海道・本州(近畿以北)・四国の低山帯~亜高山帯の日当たりのよい場所に生える。
初夏に赤い萼の白い釣り鐘型の花を咲かせ、秋に赤く熟した実を付ける。
実は赤い萼が多肉質になって果実を包んだもので、甘酸っぱい。
どちらも1~2個味わうだけにしておこう。
オオヒョウタンボクは食べない方がよい。
イワツメクサ(岩爪草)は、ナデシコ科ハコベ属の多年草で本州(中部)の高山の分布、礫地や岩場でよく見かける。
ミヤマハコベに似ていて、5枚の花弁が深く切れ込んで10枚に見える。
右端にチムニーらしき部分もみえるけど・・・。
尾根上に木の梯子が点在するが、危険な所はない。
ちょっとだけ緊張する3段になった下りの鉄梯子。
「いいねー!」
とにかく「えい!」
道標には「槍ヶ岳ビューポイント ヒュッテ大槍 あと40分です。」とある。
(ビール冷えてるかな?)
北鎌尾根〔独標(2899m)〕付近の様子。
1回目は貧乏沢を下って天上沢で野営したものの、雨で撤退。
2回目は水俣乗越からの計画だったが、雨だったので大キレットに変更。
と、2回とも雨で断念している(早く行ってみたい)。
「山頂に人がいるのが見えるねー。」
11時10分、水俣乗越からのコースタイム※1時間49分(標準コースタイム 2時間10分)でヒュッテ大槍に到着。
(※休憩時間込みで 2時間14分)
「ドラ~イ!」
尿酸値は低いので(4.0未満)、いつでもビールOK!
「よし!あと少しだー!」
殺生ヒュッテの上部を通過中。
後方の常念岳と蝶ヶ岳を結ぶ稜線の奧に八ヶ岳(蓼科山、硫黄岳、赤岳)、
蝶ヶ岳の右手奥に富士山と南アルプス(左から甲斐駒ヶ岳、北岳、塩見岳、赤石岳)が見える。
紅葉したミヤマダイコンソウの葉と終わりかけのトウヤクリンドウ。
山頂直下のトラバース、あと少しで小屋へ着く。
槍ヶ岳分岐で槍沢コースを合わせると槍ヶ岳山荘は目の前に。
12時11分、槍沢ロッジから ※4時間23分(標準コースタイム 6時間10分)で
槍ヶ岳山荘に着いた。
山頂アタックの前に受付を済ませて、個室をゲット!
3連休初日の土曜日だけあって小屋は込んでいてテント場も既に受付終了。
※飲食・休憩時間込みで 5時間41分。
受付を済ませたら山頂へGo!
山荘のある西側から穂先の南面に取り付く。
少し登ったら小さな尾根状の部分を北側へ越えて溝状の部分を登る。
上部に最初の梯子が見えてくる。
最初の梯子をクリアして、小さな梯子とピンを通過すると、いよいよ山頂直下の梯子が見えてくる。
頂上直下の梯子は2段になっていて上り下り専用が1組ずつ。
青空に向かって慎重に「急いで」登る。
12時53分、山荘から20分ちょうどで槍ヶ岳山頂に登頂!
槍沢ロッジからのコースタイムは、4時間43分(標準コースタイム 6時間40分)。
※飲食・宿泊受付・休憩時間込みで 6時間23分。
山頂には風雪にさらされて角が取れた柱石らしき御影石はが存在するが、二等三角点 「鎗ケ岳(槍ヶ岳ではない)」の現況状態は 「亡失」 となっていて、国土地理院の地形図では精度の低い標高点 [・3180] のみとなっている。
<基準点の概要>
基準点コード TR25437451101
等級種別 二等三角点
冠字選点番号 波13
基準点名 鎗ケ岳
成果状態 亡失
現況状態 亡失
まだあまり混んでなかったが、写真撮影はしばらく順番待ち。
ちょっと待ってもらって「ヤマネチ!」
山頂にいるグループや個人でシャッターを交代。
いつでも来られる所じゃないので記念撮影ぐらいはしておきたいというものだ。
<南>
南には、明日歩く大喰岳、中岳から南岳、穂高連峰へと続く主稜線。
西穂の山頂付近は雲に覆われている。
<南西>
左下に槍ヶ岳山荘とその上に錫杖岳、右奥には飛騨の名峰 笠ヶ岳。
<北西>
西鎌尾根(左)と硫黄尾根(右)分岐点(中央付近)のすぐ後に樅沢岳。
その左奧に双六岳と山頂付近を雲に覆われた黒部五郎岳。
中央奧に三俣蓮華岳と鞍部の右に白っぽい鷲羽岳とその右に水晶岳(黒岳)。
鷲羽岳のずっと奥にはどっしりとした山容の薬師岳。
<北>
祠の後方左端に水晶岳。
祠のすぐ右の白っぽい山は野口五郎岳。
野口五郎岳の真上奥は立山。
右奧には鹿島槍ヶ岳など後立山の山々と白馬岳が見える。
<北北東>
祠の右下には北鎌尾根と独標。
独標の上奧の黒っぽい三角は唐沢岳。
その手前右の白い花崗岩の稜線が燕岳。
よく見れば燕山荘が確認できる。
右端に大天井岳。
13時28分、山頂からの展望を堪能したら山頂滞在時間35分で下山開始。
登り下り共通部分は道を譲り合いながら下る。
途中からは下り専用コース。
大勢の登山者で賑わう山荘前のテラス、後方には主稜線の大喰岳。
ザックを部屋に片付たらテラスで「カンパーイ!」
少し遅い昼食は、もちろんカレーライス (^^;)
お腹を満たしたら、山荘裏の西鎌尾根方面を散策。
少し下った展望台から西鎌尾根と北アルプス北部の山々を望むことができる。
14時40分、穂先がかなり混雑してきたようだ。
16時30分、フロントと売店の様子。
16時49分、もうすぐ夕食なので1階に下りてみると、長蛇の列ができていた。
記念写真を撮るのも順番待ちが大変だろうなあ(16時40分)。
自分たちの夕食は5時からで、受付や売店から見たら地下になる食堂へ。
今晩の夕食は豚肉がメインにポテトサラダとポテトフライ、デザート付き。
17時36分、夕食を終え外に出てみると、山頂へはまだまだ長い列が・・・。
往復に3時間かかった人もいるらしい。
早く登っててよかった (^_^;)
飛騨側の蒲田川上流から滝雲が西鎌尾根を千丈沢へと越えていく。
白山の右側に間もなく夕日が沈む。
(今日の山行はよかったなあ。)
日没後の笠ヶ岳と白山のシルエット。
部屋に帰ったらもう1度「かん~ぱい!」
明日は早立ちなので、8時には就寝 Zzzzz (*´?`*)
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