六甲山系を代表する山レジャースポット・ナイトスポットとして人気の神戸の「ウラヤマ」摩耶山をJR新神戸駅からの周回コースで登ってみた。
<摩耶山三角点>
■行先
摩耶山 (標高点 [・706.7] 706.7m、三等三角点 [摩耶山] 698.6m)
兵庫県神戸市灘区
標高点 北緯34度43分59秒・東経135度12分16秒
三角点 北緯34度43分59秒・東経135度12分18秒
■コースタイム
新神戸駅 8:01(5分)→ 布引雌滝 8:06/8:08(5分)→ 布引雄滝 8:13/8:16(20分)→ 五本松堰堤(布引ダム)8:36/8:38(19分)→ 市ヶ原(桜茶屋)8:57/8:59(2分)→ 六甲全山縦走路(天狗道・稲妻坂)分岐 9:01/9:07(8分)→ 地獄谷出合 9:15(14分)→ 分水嶺越分岐 9:29(21分)→ 森林植物園分岐 9:50/9:51(4分)→ 山田道分岐 9:55/9:56(9分)→ 石楠花山分岐 10:05(8分)→ 桜谷出合(徳川道分岐)10:13(23分)→ 渡渉点 10:36(休憩)/10:45(12分)→ 分岐(鞍部) 10:57(5分)→ 三角点 11:02/11:07(1分)→ 摩耶山 11:08/11:13(2分)→ 分岐(鞍部) 11:15(1分)→ 掬星台 11:16/11:45(1分)→ 分岐(鞍部) 11:46/11:47(8分)→ 史蹟公園 11:55/11:57(18分)→ 行者堂(青谷道分岐) 12:15(23分)→ 学校林道分岐 12:38/12:44(29分)→ 新神戸駅 13:13
【行き 2時間36分 帰り 1時間22分 計 3時間58分】
■コース水平距離 13.6㎞
■天気 晴れ
■楽しさ ★★★★★(満点)
摩耶山の登山コースは、最初にどれを選んでよいか分からないほど多い。
今回は新幹線を利用する関係で、新神戸駅を起点にトエンティクロス(二十渉)から桜谷道を登り、掬星台から旧摩耶道を下る周回コースの13.6km。
コース前半は比較的なだらかで歩きやすいが、距離・標高差は三嶺に負けないぐらいなので、時間に余裕を持って歩きたい。
【水平距離13.58㎞、沿面距離13.89km、累積標高差(+)961m (-)954m】
土佐山田駅から特別急行「南風」に乗車した。
南風に使用されている2000系の車両は、急勾配・急カーブが連続する土讃線の速度向上を目的としてJR四国と鉄道総研が共同で開発した世界初の振り子式気動車(日本初の制御付)で1990年から富士重工業(SUBARU)で量産された。
エンジンはコマツ製SA6D125H形330ps×2基/1両で最高速度は120km/h。
N700系「のぞみ」に乗り継ぐと、土佐山田から2時間56分で新神戸に到着!
朝一の「しまんと2号」だと、8時36分に新神戸着で日帰り登山も余裕。
新神戸駅のコンコースからエレベーターでバス乗り場のある1階へ降りる。
(写真の改札口や土産物屋などがあるコンコースは2階でホームは3階)
「← 布引の滝」の案内に従い駅裏に出ると正面に「こうべの森案内図」がある。
トエンティクロスは勾配が緩そうだが、桜谷道は「きつそう」だ・・・。
記録用のGPSを起動して新神戸駅をスタート。
砂子橋を渡るとすぐに谷側と山側を登るコースの分岐があり、通りかかりの人に教えてもらって左の谷沿いを進んだ。
両者は、滝を通るかパスするかの違いで、初めてだと迷いそうだ。
駅をスタートから5分で布引の滝(雌滝・めんたき)に着いた。
滝前の広場からスイッチバックして手前で分かれた山手の登山道に合流すると、布引の滝(鼓滝・つつみだき)が現れる。
生田川水系の布引渓流は神戸駅の裏で苧川(おかわ)を合わせ神戸港に注ぐ。
雌滝から5分で一番大きな(雄滝・おんたき、夫婦滝・めおとだき)に着いた。
雄滝の側に建つ〔おんたき茶屋〕の住所は中央区葺合町布引遊園地45番地。
布引渓流「雄滝」(落差43m)はJR新神戸駅から10分と市街地からも近いので「おんたき茶屋」も観光客やハイカーに人気があるということだ。
そう言えばNHKの「小さな旅」に店主の女性が出ていたような・・・。
そばやうどん、おでんや布引ラーメンなどがある。
徳光院(とっこういん)への下り道を右に見送り左に折れる。
布引展望台・見晴らし展望台から見た神戸の風景。
布引ハーブ園行きの「新神戸ロープウェー 神戸夢風船」が図上を通過していく。
五本松かくれ滝は、ダムがオーバーフローしたときだけ滝水が流れる。
布引の滝から布引渓流を遡ること分で巨大な堰堤が姿を現す。
型枠用の石積をそのままに残した外壁が周辺の緑と青空に映えて美しい。
歴史を感じさせる構造物の布引五本松堰堤(布引五本松ダム)は、日本最初の重力式コンクリートダムで2006年に近代化遺産「布引水源地水道施設」の一部として国の重要文化財に指定されている。
神戸市の水瓶、布引貯水池は水道専用ダムでダム湖百選、また厚生労働省近代水道百選に選ばれている。
「夢風船 風の丘駅」(神戸布引ハーブ園)方面(右)との分岐。
新神戸駅をスタートしてから56分で市ヶ原に着いた。
滝や堰堤などの見所もあるので、初めてだとタイムはあまり縮まらない。
地形図を確認すると、桜茶屋(249.5m)の真下を阪神高速の第二進神戸トンネルが、すぐ西を同じく新神戸トンネル、少し先を北神急行北神線の北神トンネルが通っている。
六甲全山縦走路(天狗尾根)分岐まで来たところで、地図を確認しながらトエンティクロスか縦走路かどちらのコースをとるか思案。
標準コースタイムだと時間に余裕がないのだが、渓流沿いということと名前に惹かれて距離の長いトエンティクロスへ。
地獄谷出合で地獄谷コースを右に見送り、すぐ先で黒岩尾根の分岐を通過。
トエンティクロス(二十涉)の始まり?
工事箇所から分水嶺越林道を少し歩く。
ゲンノショウコ(現の証拠)は、フウロソウ科フウロソウ属の多年草でハクサンフウロなどの仲間、紅花と白花があり生薬として有名。
林道の分水嶺越分岐付近から河原へ下ったら少し上流で左岸へ渡り、砂防堰堤の工事現場を仮設道で高巻き。
森林植物園へのコースを左に見送るとすぐに橋を右岸へ渡る。
白い卵の部分が見えないが、色、姿ともにタマゴタケとしか考えられない。
「卵」は腐葉土や落ち葉に隠れていることもある。
見た目とは裏腹に美味しいキノコの代表格!
あまり歩かれていない?ような、山田道を左に見送る。
再び砂防堰堤の工事現場の上を巻いて石楠花山への分岐を通過すると、桜谷出合まであと10分ということになる。
新神戸駅から2時間12分(休憩含む)で桜谷出合に着いた。
観光しながらも時間が気になり、少し急ぎ足で来たので汗かいた~ (>_<)
左岸へ渡って徳川道を左に分けると、桜谷沿いに摩耶山へ向かって登る。
桜谷道は概ね想像どおりの登山道で急登や渡渉が多い。
汗を乾かすため渡渉点で大休止。
都会の裏山とは思えないほど森が深い。
いくつかの分岐を通過し、「産湯の井(うぶゆのい)」を過ぎたら舗装路とクロスする峠(鞍部)に出た。
ここは登ってきた桜谷道と峠越えで市街地へ下る旧摩耶道(途中で上野道・青谷道が合流)、そして尾根伝いの六甲全山縦走路とが交差する四叉路になっていて、摩耶山城の東曲輪群と西曲輪群を二分する堀切跡でもあるそうだ。
掬星台は後回しにして、峠から南西に登る踏み後をたどり山頂を目指す。
ほんの少し登ると、赤い鳥居の天狗岩大神があった。
社の前で周辺を見渡すと、右手(西・社前方)の木立の中が少し高いと感じるが、左手(東・社後方)に三角点の指導標が見える。
新神戸駅から2時間35分(3時間01分・休憩含む)で三角点に到着。
<基準点の概要>
■ 基準点コード : TR35235017601
■ 等級種別 : 三等三角点(698.63m)
■ 冠字選点番号 : 化36
■ 基準点名 : 摩耶山
摩耶山は、702mとされているので三角点の位置は「山頂」ではない。
なだらかな山頂部分を見渡して「一番高い」所を探すと、最初に感じたとおり天狗岩大神西方の一角が目測でも数m高いのが分かる。
(各種サイトで調べてみても三角点より少し西とされている。)
電子国土Web.NEXTでは、標高点が三角点から西微北に約50m(三角点と社の延長線上)の道の側にあって「706.7」と表示されている。
更に50mほど西にはNHK神戸放送局摩耶山テレビ放送所の局舎がある。
<山頂・標高点付近>
この付近に706.7mの標高点があり、山頂(※1)ということになるはずだが、標高点には標石などが設置されないのでピンポイントでの確定はできない。
手元のGPSでも電子国土に標高点が表示される位置とほぼ重なっているので、この付近を山頂ということにしておこう。
地形図の標高点は702mだが、ほんとの高さは706.7mか??
三角点と8mもの差があるようには見えないのだが・・・。
ピークハントにこだわる必要はないと思うが、 「登頂した山」 としてカウントするには、「一番高い」所を踏んでおくべきだろう。
なぜなら辞書に、
【登頂】山の頂上にのぼること。
【頂上】山などのいちばん高いところ。
とあるからだ。
富士山なら「剣ヶ峰」、立山なら「大汝山」が頂上ということになる。
富士山の場合、吉田口・須走口ルート頂上の久須志神社(3,715m)まで登ったら「富士山に登った」ことにはなるだろうが、剣ヶ峰(3775.63m(※2))に登らなければ「富士山に登頂した」ことにはならない。
久須志神社は、富士山の標高より「50mも低い」のだ。
ただし、大山や焼岳のように最高点が「立ち入り禁止」になっていることもあるので、これらは例外としたい。
※1 標高点には、現地測量(0.1m単位)のものと、写真測量(1m単位)のものがあり、三角点の値が三角点の「置かれた位置の値」であるのと同様に、標高点も「山頂の値」とは限らない。
※2 三角点から見て北にある岩(最高所)の高さは3,776.24m。
縦走路を鞍部に戻り掬星台(きくせいだい)で大休止。
掬星台(690.1m)は、山頂近くにある展望広場でここから見える夜景は「手で星を掬(すく)えるほど」ということで日本三大夜景の一つだそうな。
建物は摩耶ロープウェー星の駅と隣接するサンテレビ摩耶山送信所。
夜景が美しいという掬星台からの展望(下は4枚合成)。
ルートを知らない山なのであまりゆっくりはしていられない。
鞍部の分岐に戻って青谷道、旧摩耶道を下る。
史蹟公園は、昭和51年に火災で消失した摩耶山天上寺の跡地を公園として整備したもので、寺は山上の草創の地へ遷寺しているので、本堂や多宝塔の礎石が残るのみとなっている。
史蹟となった旧境内を抜け、急な石段を下り山門を抜ける。
「大日大聖不動明王」を過ぎると、青谷道と旧摩耶道の分岐がある。
新神戸駅に下山するには、右の旧摩耶道へ。
分岐付近にはツルボ(蔓穂)と赤花のゲンノショウコが咲いていた。
旧摩耶道の学校林道分岐へと続くトラバースは、なかなかの山道でイノシシの足跡ぐらいしか見られない。
ヤマケイアルペンガイドNEXTにも載っていた、旧摩耶道から見る摩耶山。
学校林道分岐へ出た!
学校林道・旧摩耶道(もとまやみち)分岐は、左方向が下山路で右が学校林道と呼ばれる六甲全山縦走路(天狗道出合)へのトラバースになっていて、ここからは道もよく歩かれているようだ。
ここは、変形四叉路になっていて数m先に勤労病院方面への分岐があった。
新神戸駅へは、よく踏まれている右の道を下る。
北斜面から尾根に出て小さなピークを2つほど越える。
雷声寺の参道抜け住宅地の坂道を下る。
神戸第一高等学校前の通って苧川沿いに下ると新神戸駅の上に出た。
N700系「のぞみ」16両編成で約400m、700t!
まだN700Aには出合ったことがない。
新神戸駅の駅弁人気№1の「味づくし弁当」1,000円(税込み)。
南風の下り編成の先頭車両として使われる、2150形運転台付き貫通型先頭車両は、グリーン車のないタイプで振子制御装置を搭載している。
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