今年、まだ一度も登っていなかった三嶺の様子を見に行ってみた。
雲の動きを見ると三嶺周辺の山岳地帯は雪雲が停滞する時間が長い。
好天が期待できない中での登山だったが、登頂直後、ドラマチックな展開で青空が広がり稀に見る絶景に出合うことができた。
<三嶺>
■行先・位置(主なピーク)
カヤハゲ (標高点 [・1720])
高知県香美市・徳島県三好市、北緯33度49分41秒・東経133度59分25秒
三嶺 (二等三角点 [三嶺] 1893.4m)
高知県香美市・徳島県三好市、北緯33度50分22秒・東経133度59分16秒
西熊山 (三等三角点 [西熊山] 1815.9m)
高知県香美市・徳島県三好市、北緯33度50分06秒・東経133度57分50秒
■コースタイム
光石登山口 7:08(46分)→ さおりが原 7:54/8:01(1時間51分)→ カヤハゲ 9:52(1時間30分)→ 三嶺 11:22/11:35(25分)→ 三嶺ヒュッテ 12:00(昼食)/12:53(10分)→ 三嶺 13:03/13:08(1時間04分)→ 大タオ 14:12/14:16(25分)→ 西熊山 14:41/14:48(14分)→ お亀岩 15:02(2分)→ お亀岩避難小屋 15:04/15:11(37分)→ 渡渉点 15:48(19分)→ 八丁 16:07(26分)→ 光石登山口 16:33
【三嶺まで行き 4時間07分/(※1)4時間25分】
【三嶺から帰り 3時間07分/(※2)3時間50分】
(※1)(※2)昭文社 山と高原地図コースタイム(夏山・休憩含まない)
■コース水平距離 16.4㎞
■天気 曇り時々晴れ
■楽しさ ★★★★★(満点)
行きは光石登山口を起点にさおりが原、カヤハゲを経て南稜の急登を山頂へ。
雪に覆われたササ原と池を巡って三嶺ヒュッテで昼食後、縦走路を西へ向かい、西熊山を越えてお亀岩からカンカケ谷を下る一周16kmの周回コース。
【水平距離16.39㎞、沿面距離17.28km、累積標高差(+)1869m (-)1877m】
<雪がなかった光石登山口>
山沿いは雲が多く、西熊渓谷から見える西熊山はガスに覆われていた。
「誰か来てるかな?」
光石登山口に着くと地元高知と北九州の車が各1台ずつ駐車していた。
(2台とも単独の方で、2人とも山頂付近で出会うことになる。)
「さて、どこを登ろうかな・・・」(7時08分出発)
消化不良にならないよう、今日は山頂を踏んでおきたい。
登頂優先ならカヤハゲからの「南稜コースが無難」だろう。
最短コースのフスベヨリ谷は、2月に入るとほぼ間違いなく凍っていて、特に谷沿いの痩せた登山道や青ザレ・水場付近は滑落の危険があるので要注意!
7時54分、雪が少なかったので光石から(※)46分でさおりが原に着いた。
うっすらと積もった雪に残された足跡で先行者が1人いることを確認。
(※)標準コースタイム 1時間25分(昭文社 山と高原地図)
カヤハゲの西尾根に出ると、いつも冷たい北風が吹き付けるので防寒対策をしっかりしておきたい。
昨日から強い寒気が入り込み、四国沖を低気圧が通ったので、その影響が残っていて雲が広がり風も強い。
潅木帯に出ると南北の視界が開けるが、三嶺はガスの中。
高知県は「晴れのち曇り」で夕方から崩れる予報。
また、寒風山周辺と三嶺周辺に雲が停滞しているが、三嶺は昼過ぎから2時頃にかけて晴れ間が出る予報になっている。
雪庇のできた尾根を歩く。
積雪で地面は高くなり、木の枝は雪の重みで低くなるので通過しづらい。
霧氷が着いてアイスキャンディーのようなノイバラ。
カヤハゲ直下の鞍部で、表面が凍ってツルツルの立ち枯れ木。
(・・・・・・。)
寒いのがあまり好きでないクマ。
一瞬青空が・・・!
空気は澄んでいるのでガスが晴れると良く見える。
(後方に綱附森)
<カヤハゲ山頂から三嶺方面>
光石登山口 7:08 → カヤハゲ 9:52 (2時間44分)
さおりが原 8:01 → カヤハゲ 9:52 (1時間51分)
締まっているので割りと早かった。
でも、正面に見えるはずの三嶺はまったく姿を現さない。
「今日はダメかな~。」
14時前後に晴れ間の出る予報になっている。
モノトーンの森も綺麗だけど、青空が見たい。
木の下に潜ったり這ったりしながら前進。
濃いガスの中でも迷うことは少ない一本の尾根。
黒々として夏より立派に見える天狗岩。
天狗岩右側のクサリ場を通過する。
岩も凍り着いている。
天狗岩は展望も良く、くつろぐのに良い場所だが、今日は寄らない。
天狗岩を通過したところで下山する「高知ナンバーの方」とすれ違い。
D600をぶら下げていたので写真撮影も目的の1つだったようだ。
天狗岩上部のクサリ場を過ぎて、山頂まであとひと登りのところ。
相変わらずガスは晴れてくれない。
岩に巻きつけたクサリが「まわし」のようになっている。
山頂直下の斜面は「バリバリ」なのでアイゼンを着けたいところだ。
時折 青空がのぞき、風も幾分弱ってきた。
クサリ場を通過すると山頂はもう目の前。
「着いたー!」
「おおっ~!」
「晴れたー!」
11時22分、光石登山口から4時間14分(休憩含む)で山頂到着。
偶然、西熊山方面へ向かう (※) 趣味山さんと遭遇。
(※ 自分の到着時刻と趣味山ブログの出発時刻が一致)
青ザレ上部に差し掛かった趣味山さんの姿が小さな点に・・・。
どこまで歩くのかな?
後で確認してみると、いやしの温泉郷からの周回だった!
(いやしの温泉郷 → 三嶺 → 天狗塚 → 西山林道 → いやしの温泉郷)
累計登頂回数の 404 回目はすごい!
自分は・・・ ずっと少ないけど、数えてないので分からーん (^^;)
【基準点の概要】
■基準点コード:TR25033670901
■等級種別:二等三角点
■冠字選点番号:興28
■基準点名:三嶺
風も止んだので山頂で食事ができないほど寒くはない。
(趣味山さんの記録によると-7.2℃)
でも、天気がよくなったので池を見ておきたい。
小屋で食事ということにしよう。
山頂から少し下った鞍部から山頂。
南側の登山道は踏み抜くと危ないので使わない。
三嶺ヒュッテの手前の 「窪み」 が池のある場所。
紺碧の青空と純白の池・・・。
このコントラストが素晴らしい!
「割れたらやばい!」なんて心配ない。
跳んでも跳ねてもビクともしない「三嶺の池」。
ピッケルで思いっきり叩いても割れない。
池の上にちょこっと頭を出す三嶺もいい。
外が眩しすぎてヒュッテの中がいつもより暗く感じるし、
風も止んだので外でランチタイムをとる。
今日の一杯は 「日清庵 きつねうどん」
「麺とつゆにこだわったきつねうどん」
そりゃ、うどんがこだわるなら 「麺とつゆ」 じゃお。
エネルギー:272kcal (食塩相当量:4.1g)
昼メシが済んだら、もう一度山頂へ登らないと高知県側へ帰れない。
冬は道がないので真ん中を直登。
(さて、引き返すか、フスベを下るか、お亀岩まで縦走するか・・・)
山頂に登り返すと「北九州ナンバーの車の人」が着いていた。
昨夜はお亀小屋、今夜は白髪避難小屋ということだ (好きやねー)。
それなら、こっちもお亀まで行ってみよう。
北九州の人と分かれて西熊山へ向かう。
山頂を振り返ると北九州の人の影がポツンと1つ。
フスベヨリ谷コース分岐のある鞍部を通過。
新調した マウンテンハードウェア ハイドラプログローブ を使ってみた。
〔山と森の店 遊山〕で購入(オススメ・蒸れない)。
「ここはどこ?」 「宇宙?」
趣味山さんのスノーシューと北九州の人のアイゼンのトレースを確認。
積雪は深いが、凍っていて踏み抜きが少ないのでツボ足でも楽。
ネットの立体作品!
いつもは目障りなシカ除けネットも 「ビューティフル!」
青ザレ上部からの三嶺も美しい!
「四国の山とは思えん。」
北九州の人は白髪避難小屋泊だから時間がある。
池を見に行ったかな?
三嶺山頂は名頃からの登山者が着いて賑やかになっている。
あの西熊山を越えていくのだ。
灌木の霧氷と西熊山。
標高点・1754付近から綱附森と太平洋☆
昼でも海がオレンジ色に見えることが多い。
標高点・1754付近からの三嶺★
標高点・1754付近から西熊山☆
大タオまで下ったら西熊山への登りの始まり。
締まっているけど、ちょっとしんどい登り。
西熊山も北側を巻く登山道ではなく稜線を直登する。
大タオ付近から三嶺 その1★
「いいねー (*^_^*)」
大タオ付近から三嶺 その2★
コメツツジも雪に埋まった西熊山からの三嶺★
14時41分、三嶺から1時間29、大タオから25分で西熊山到着。
写真を撮りすぎて時間がかかったー。
西熊山にはクマが似合う?
西熊山から地蔵ノ頭を望む。
躄峠(天狗峠)の鞍部に天狗塚が頭をのぞかせている。
よく見ると、西山林道に向かって尾根を下る趣味山さんが写っている。
(ただし、このサイズでは確認できない)
西熊山 14:48(14分)→ お亀岩 15:02
夏山標準コースタイムが 「25分なんだけどー (^^;)」
お亀岩避難小屋から北九州の人のトレースが1本。
斜面は凍って滑り台になっている。
少し雪崩れた跡のある お亀岩避難小屋の前。
小屋から見えるのは左からカヤハゲ、白髪山分岐、白髪山。
カンカケ谷コースを下山。
小屋までは何人かで遊びに来たらしく往復のトレースがあった。
お亀岩避難小屋 15:11(37分)→ 渡渉点 15:48
カンカケ谷右岸の凍った斜面は、よく滑るので注意!
渡渉点 15:48(19分)→ 八丁 16:07
シカの皮剥食害がひどい。
フスベヨリ谷と長笹谷の橋を渡るとゴールは近い。
三嶺 13:08 (3時間25分)→ 光石登山口 16:33
お亀岩避難小屋 (1時間22分)→ 15:11光石登山口 16:33
※標準コースタイム (昭文社 山と高原地図) は、
それぞれ 3時間50分、2時間20分となっているので時間に余裕を持って歩こう!
また、厳冬期の三嶺登山は、一定のルートファインディングと体力を要する。
夏山のコースを熟知してから挑戦するか、経験者との同行がお勧め。
それにしても、今日の三嶺は神々しく美しかった!
あとはビールだー!
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