剣山 8月の終わりに次郎笈から一ノ森へ、キレンゲショウマも見てみたい!
剣山系 (つるぎさん 1955m)2010年8月27日日帰り
    
行  程 ■1日目
1日目 香美市〜剣山登山口〜奥槍戸〜次郎笈〜剣山〜一ノ森〜西島〜大剣神社〜次郎笈峠〜スーパー林道分岐〜剣山登山口〜香美市 【香美市】07:00→【別府】(国道195号)07:25→【高の瀬峡】(剣山スーパー林道)07:40→【剣山登山口(スーパー林道の待避所)】08:15→【奥槍戸山の家】08:41→【次郎笈】09:42/09:50→【剣山】10:32/10:40→【剣山頂上ヒュッテ】10:45/10:52→【一ノ森】11:21→【一ノ森ヒュッテ】11:28/12:21→【キレンゲショウマ自生地】13:11/13:20→【刀掛の松】13:31/13:34→【西島駅】13:42/13:48→【大剣神社】14:00→【次郎笈峠】14:30→【スーパー林道分岐】14:55→【剣山登山口(剣山スーパー林道)】15:08→【香美市】16:30
 
8月最後の金曜日、夏休みを取って、剣山へ向かった。天気は気圧の谷が近くにあり、九州の西を熱帯低気圧がゆっくり北上していてあまり期待できない。香美市を7時に出発し、国道195号を別府へ、四ツ足峠トンネルを抜けると徳島県の高の瀬峡から剣山スーパー林道に入る。 
コースタイム
行き 2時間40分
帰り 2時間47分
5時間27分 剣山スーパー林道 石立山
コース距離
15.9q (スーパー林道登山口〜奥槍戸〜次郎笈〜剣山〜一ノ森〜西島駅〜大剣神社〜スーパー林道登山口)
 
先週の石鎚山では、長沢ダム湖畔の県道で災害復旧工事の時間制限に遭遇してあせったので、今回は那賀町木頭支所に道路状況を教えてもらった。 
累積標高差
未計算
メンバー
Aさん、自分
木頭支所によると、奥槍戸の剣山トンネル手前約700mで工事をしているということだったので、工事を請負っている小○組に確認した。すると、この現場の制限時間は2時間と長く、帰りに引っかかるといやだし、次郎笈をトラバースして丸石手前の鞍部から下るのも良いので、奥槍戸から1qほど手前にある登山口に車をおいて林道を歩いた。後方にはてっぺんを雲に覆われた石立山が見える。
天気
曇りのち晴れ
丸石 工事現場近くで振り返ると、剣山から三嶺へ続く稜線上の縦走路が見えてくる。左から2番目(たぶん)のピークが丸石(1683.8m)で、西に20分ほどの所に丸石避難小屋がある。今日は、右の鞍部から、スーパー林道に下る予定。次郎笈から白髪山にかけての稜線付近は鹿の食害が目立つ(T_T)
剣山トンネル 奥槍戸山の家
剣山トンネルを抜けると、奥槍戸で「奥槍戸山の家」がある。駐車場やトイレもあり、小屋の右手が次郎笈への登山口になっている。
 
次郎笈登山口  ブナの古木
登山口の案内板ではジローギューまで60分、ジローギューより剣山まで60分となっているが、標準のコースタイムはそれぞれ1時間20分と40分が正解だ。
 次郎笈
 次郎笈の稜線にはガスがかかっている。一ノ森の方は全然見えない。
 次郎笈の登山道
トラバース気味のなだらかな道を東に進み、「東の肩」からは反転して西向けに一気に登る。
タカネオトギリ 次郎笈
9時42分、登山口から54分で次郎笈山頂(1929m)に到着。 ということは、登山口の案内板の「ジローギューまで60分」もおかしくはないのかな・・・?でも「ジローギューより剣山まで60分」は絶対かからんでねえ!
次郎笈
風はあるが、ガスが中々きれそいうもない。そもそも今日の天気は、予報ではあまり良くない (T_T)
剣山
次郎笈から剣山へ向けて下っていくと、ガスが一気にきれ始めた。美しい笹原の稜線に登山道もくっきり!
塔丸
「笹原の中の岩場から燕が一羽、Aさんの頬をかすめて青空へ舞いあがってゆく(剣客商売風)。」と言うか、写真にゴミ(中央左)が写っているかと思ってしまった (^^;) イワツバメは、スズメ目ツバメ科の小鳥。ツバメに似ているけど、少し小さくて尾が短い。背は光沢のある黒色で、ほかは白い。山や海岸や人家の軒下にも巣を作る。九州以北に夏鳥として渡来する。
剣山と見ノ越の分岐 剣山
見ノ越、リフト乗り場(西島駅)方面(左)と剣山山頂方面(右)の分岐、帰りは西島駅方面からの予定。まずは山頂を目指す。山頂にも青空も見えてきた。
次郎笈
10時32分、次郎笈からゆっくり40分で剣山山頂に到着。山ボーイ・山ガールの新旧?のカップルが山頂から次郎笈のどっしりとした山容を楽しんでいた(手前が新、向こうが旧? (^^;) )。朝の日差しに濡れた笹原が美しい。
剣山の展望
山頂から北西方面の展望、塔丸へ続く稜線が見える。右の道路は見ノ越から「ラ・フォーレつるぎ山」の横をとおり、貞光へと下る国道438号。
剣山山頂
神楽でもやれそうなステージ。神様の山なので神楽もいいんじゃない?実は神楽好き人間。ミュージシャンのライブもいいねえ!
気温  マップ
ガスが切れると、澄んだ空気に坂出付近の街と瀬戸大橋もくっきりと見えた。マップとコンパスで確認。気温は20℃を切って涼しい。
 
行者コース分岐 新田次郎
一ノ森手前の分岐で案内板を見る。ここを左から来て帰りは右の行者コースへ。進行方向は写真手前。正面上に雪崩で遭難した剣山測候所技官、大谷好徳氏(当時37歳)を弔う新田次郎の殉難碑が建つ。
一ノ森分岐 一ノ森 
案内板からすぐの分岐からは、まず右の一ノ森山頂へ。左へ行くと山頂直下の一ノ森ヒュッテに出る。
一ノ森ヒュッテ 一ノ森
縦走路から左に折れてほんの少し登ると一ノ森山頂。左下にヒュッテが見える。三角点は縦走路に戻ってもう少し進む。
一ノ森三角点 一ノ森三角点
一ノ森の三等三角点
(1879.2m)。
 
一ノ森からの展望 ランチタイム
ヒュッテ前の北面に広がる風景を眺めながら広場のテーブルでランチを楽しむ。いつものようにビール・おむすび・カープヌードルのセット。
 
一ノ森ヒュッテ 一ノ森ヒュッテ 
一ノ森ヒュッテで食後のコーヒーを注文。4月下旬から11月上旬まで営業している。宿泊も可能で2食付きの場合7,000円。管理人さんがブログを始めたらしい。
行者コース分岐
案内板と殉難碑がある分岐に戻って、右の行者コースでキレンゲショウマの群生地へ向かう。
行者コース
行者コースは森の中の散策道で稜線上の登山道と違った雰囲気が楽しめる。
ウスタケ クヌギタケ ウスタケ(臼茸)は、ラッパタケ科ラッパタケ属のキノコで、夏から初秋にモミやツガなどの針葉樹下に発生する。煮こぼせば食べられるようだが、図鑑では【毒】指定になっている。癖がなくシャキシャキした食感だが過食すると中毒症状を起こすことがある。
右のクヌギタケは森の中でよく見かける。食べても大丈夫。
カニコウモリ(蟹蝙蝠)は、キク科コウモリソウ属の多年草で、本州(近畿地方以北)、四国の山地帯〜亜高山帯の林内に群生する。名の由来は葉の形が蟹の甲羅に似たコウモリソウから。コウモリソウはというと、葉の形がコウモリの翼に似ているからだとか。両方見るとなるほどと思えないこともない。花期は8〜9月。 カニコウモリ キツリフネ
キツリフネ(黄釣船)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の1年生草本で、北海道・本州・四国・九州に分布する。ツリフネソウの仲間で唯一の黄花。花期は7〜9月。
穴吹川源流
「穴吹川源流の谷」の沢の水は冷たくて気持ちよい。
行者コース
行者コースは周辺に岩場も多いが、登山道は整備されていて安心して散策できる。
ヒメフウロ シコクブシ
石立山にもあるヒメフウロ。石灰岩地に咲く。シコクブシもきれい。
サラシナショウマ サラシナショウマ サラシナショウマ
サラシナショウマ(晒菜升麻)は、キンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草で、
北海道〜九州の落葉樹林内や草原などに生える。滋賀県の伊吹山ではサラシナショウマが群生する。白い花がブラシ状に咲いてきれい。若菜をゆでて水でさらして食べるところから「晒菜(サラシナ)」、また根の部分は「升麻(ショウマ)」と呼ばれる日本薬局方に収録された漢方薬になる。花期は8〜9月頃。
ツルギハナウド オタカラコウ
ツルギハナウド (剣花独活)は、セリ科ハナウド属の多年草で、四国の高山(剣山地、石鎚山系)に分布する。四国の固有種で、生育地は石鎚山と東赤石山、剣山などに限られている。花期は7〜8月、環境省レッドデータブック絶滅危惧II類(VU)、剣山が基準産地。
右のオタカラコウ(雄宝香)は、キク科メタカラコウ属の多年草で、本州・四国・九州の山地、亜高山帯でよく目にする。サハリンやヒマラヤにも分布。
キレンゲショウマ キレンゲショウマ
見たかったキレンゲショウマはピークを過ぎて果実になったものが多かったが、まだ残っていて、自生のものを始めて見た。
キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)は、ユキノシタ科キレンゲショウマ属の多年草で、紀伊半島の大峰山系、四国、九州の石灰岩地帯の深山にまれに分布する。由来は本州の太平洋側に分布するレンゲショウマに似ている黄色の花から。レンゲショウマみたいに花が開かないけどね。花期は7〜8月
刀掛の松  西島駅
分岐の「刀掛の松」はリフトからも近く、夏休み中で家族連れも登ってくる。ここから一旦西島駅に降りて大剣神社に向かった。
大剣神社 大剣神社
大剣神社にお参り。お賽銭も持ってきた。神社は、剱のような岩をバックに建っている。
三嶺
ホームトレイルの三嶺も雲の中から顔をを出した。カヤハゲから白髪山分岐への稜線がよく見える。
剣山
帰り際に剣山は最高の表情を見せてくれた!
次郎笈トラバース
今朝は天気を心配したが、雨上がりの剣山は、緑が濃く空気も澄んでいて最高の一日となった。
丸石 稜線分岐
次郎笈をトラバースして三嶺への縦走路を西へ。そして、丸石の手前の分岐から南(左)の剣山スーパー林道へ下る。
次郎笈
分岐から次郎笈をもう一度振り返る。この辺りの笹は鹿に食べられて茶色い茎が目立つ。
剣山スーパー林道  剣山登山口
愛車が見えてきた。15時08分、スーパー林道登山口に下山。
剣山コースマップ
【今回のコース】
剣山垂直プロファイル
【垂直プロファイル】
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