石立山 あまり面白くない山だが、なぜか登りたくなる花の山  
剣山地 (いしだてやま 1707.7m)2010年7月18日日帰り  
    
行  程 ■1日目
1日目 石立山登山口〜竜頭谷〜岩場〜西峰〜石立山〜西峰〜岩場〜竜頭谷〜石立山登山口 【石立山登山口】09:47→【竜頭谷】10:25→【岩場】11:10→【西峰】12:03→【石立山】12:16→【岩場】13:58→【竜頭谷】14:23→【石立山登山口】14:36
昨日から高知県は梅雨が明けたらしい。まだカラッとした天気ではないし、山は雲が多い。明日は三嶺?だが、石立山の様子を見ておきたくなり別府峡へ車を走らせた。
コースタイム
登り 2時間29分
下り 2時間16分
4時間45分
コース距離(水平)
8.1q (石立山登山口〜石立山〜石立山登山口)
累積標高差(往路)
+1204.9 -71.5
メンバー
単独
       
天気
曇り トラックを記録するために持ってきたGPSの電池が空だったので、べふ峡温泉へ寄り道すると紫陽花が見頃をむかえていた。温泉には電池をおいていなかったが体験実習館にあると教えてもらった。実習館横には、キャンプに来ている人たちの車が数台駐車していた。
もみじ茶屋下の駐車場に車をおき、準備(雨具も食料もない小さなザックを背負うだけ)して登山口に向かうと、誰かが林道を下ってくるではないか。もう登って来たの?と思っていたら「HPの人ですか?」と声をかけられた。なんと、最近メールをくれたWさんだった!どちらかというとマイナーで寂しい山だから、女性1人では心細い。
登り初めて直ぐにヒメレンゲやヒメキリンソウに似た黄色の花を発見。ムカゴがみえないので、どうやらマルバマンネングサ(丸葉万年草)のようだ。本州〜九州の山地の岩場などに生える。ウィキペディアには「5月ごろに黄色の花が咲く。」とあるが、花期は通常6〜7月のようで、今年の石立山では初登場。
昭文社の「山と高原地図」によると石立山のコースタイムは、登り3時間40分、下り2時間25分となっている。Wさんのペースはこれに近い感じだが、スタートが10時近かったので、「山頂が13時半から14時・・・、昼食をとってゆっくり下山すると17時を過ぎてしまうかな・・・?」などと考えながら岩尾根を登る。
しかし、1ヶ月半?ぶりの登山で、初めてとなる石立の急登に体力的にも時間的にも厳しいという判断で、今回は登頂を断念されることになった。
残念だが、次回は入山者のいるシーズンにゆとりを持って再挑戦を!
アキノタムラソウ
マルバマンネングサ マユミ(檀) マスタケ
これは、ウチョウラン(羽蝶蘭)の仲間と思われる。主に、本州・四国・九州の谷川沿いの岩壁などに自生するが乱獲などにより野生のものは年々姿を見かけなくなったという。
ウチョウランは、大きさ・色・形など多様で初夏に紅紫色や白の小さい花をたくさん咲かせ、山男もその可憐な花を見て疲れを癒される?
よくあるものか、珍しいものかは知らないが、撮るだけ!!
タマカラマツ(玉唐松)は、本州(東海・近畿)、四国、九州の山地の岩の上などに生え、愛知県付近が分布の東限らしい。愛知県では、絶滅危惧TA類に指定され、「生育地も個体数も極めて少なく、存続の基盤が脆弱である。山草愛好家に見つかれば絶滅は必至。」とある。環境省、絶滅危惧IB類(EN)。
細い茎に咲く花は微風でも揺れ動くので、撮影には根気が必要な花の1つ。
何というテンナンショウだろう。仏炎苞は小さく長さは5p程度だろうか。薄い緑色で白い筋があり、根元近くから伸びる茎葉は1枚。偽茎も淡い緑で細長い。色からするとアオテンナンショウやツルギテンナンショウに似るが、茎葉の数など相違点がある。イシダテテンナンショウにでもしておく?
左のキノコは、タマゴテングタケ(卵天狗茸・猛毒)によく似る。北海道で発見されることがあるが、本州以南の地域では見つかることは稀とある。もしかしてタマゴテングタケモドキか?
7月も後半に入り、イシダテクサタチバナ(石立草橘)の花も95%終了し、そのほとんどが果実になっていた。来年もたくさんの花を見せてもらいたい。

今日も空はどんよりとして冴えない天気だ。間もなく西峰に着く。
コツボゴケ(小壺苔)は、明るい緑の葉が水に濡れて綺麗だ。右上のクルマムグラに似た花は??。下は山地でよく見かけるコナスビ(小茄子)。
ラピュタのロボット兵のように体に花(ヒメキリンソウ)を咲かせる巨木。ゾウに似ている。
12時3分に西峰通過。モリイバラ(森薔薇)の咲く稜線を山頂へ向かう。
山頂到着は、12時16分。今日は捨身ヶ嶽の岩場もガスに覆われている。
ダイコンソウは、日本全国に分布するバラ科バラ亜科の多年草で、山地のやや明るい渓谷や登山道脇などに生える。根出葉は羽状複葉で、茎に付く葉は3裂から単葉へと変化する。根出葉は、言われてみればダイコンに似ている。花期は7月〜9月。花の中心には多数の柱頭があって、独特の形状。柱頭には途中に関節があり、曲がって、果実の成熟にともなって脱落する。
シコクシモツケソウ(四国下野草)はバラ科シモツケ属の多年草で7月に咲く。四国と九州・白岩山の石灰岩の山地に分布。葉は5〜10裂した掌状の奇数羽状複葉。
掌状の奇数羽状複葉も少し赤い茎もほぼ同じなので、これもシモツケソウと思うが、しべのつくりが違う?これから伸びる?ピンク花糸がねじれながら花柱にかたまっているのだが・・・?
同じタイプで、茎や花柱の部分が緑のものもある・・・。ますます分からない。牧野植物園の研究員の方に見てもらわないと素人では同定できない。
イブキトラノオ(伊吹虎の尾)は、タデ科の多年草で北海道から九州の山地から高山帯の日当たりのよい草地に群生する。細長い花茎の先端に長さ6p前後の白か淡い紅紫色の花穂をつける。花期は7〜8月。伊吹山に多く、花穂を虎の尾に見立てたことからこの名がついた。
左のヤハズハハコ(矢筈母子)は、山地の岩場に生える多年草で南アルプス北部など本州の関東以西、四国、九州に分布する。全体が白い毛で覆われる点はウスユキソウの仲間に似たところもあるが、花序の下に苞がないことで見わけられる。ヤマハハコもよく似ているが、葉がもっと細長い。石立山のウスユキソウ(コウスユキソウ?右)はそろろそ終わり。
タカネマツムシソウ(高嶺松虫草)は、マツムシソウ科スカビオサ属の耐寒性ニ年草で、本州や四国の高山の崩壊地や礫地に分布する。花は薄紫色で、花期は6〜9月。石立山のものもタカネマツムシソウとされているが、本州で見る「タカネマツムシソウ」は頭花(頭状花序)がもっと丸くまとまっていて、花の色が濃紫色をしている。石立のものは花片の幅が狭く、隙間が多い。色も淡紫色で普通のマツムシソウのようにも見えるのだが・・・?。

【参考】
唐松岳(左)、白山(右)
のタカネマツムシソウ。
日本一大きいムネアカオオアリの雌と思われる。写真はほぼ実物大。体長18 mm。頭部と脚は黒色、胸部と腹柄節は赤褐色。腹部は黒色で第1節基部は赤褐色。平野部から標高2000m以上の山岳地帯まで見られ、山岳地帯のものは体色が黒化する傾向にあるようである。森林性で木の腐朽部に営巣する。
イワキンバイ(岩金梅)は、北海道・本州・四国・九州山地の山地・低山の岩場や礫地岩場に生えるキジムシロ属の多年草。花期は6〜8月
ヤマブキショウマ(山吹升麻)とムシトリスミレ(虫取菫)。ムシトリスミレは花が終わって花茎が下を向き、果実も落ちたようだ。
ヒメフウロ(姫風露)の花は、親指姫の世界だ!人差し指の先と見比べてほしい。直径5oくらいか、小さくて可愛らしい。
まさに深山幽谷、もののけ姫の世界のようだ。方向が分からなくなってしまった。
親指姫やもののけ姫の世界から抜けだし、ガラガラの岩場をどんどん下る。気を抜くとつまずくので、慎重かつ素早く!下りは重力に逆らわないので楽だ。
キノコの色々。真ん中のはどら焼きを連想する。そういえばお腹がすいてきた。
14時36分、別府峡登山口に下山。明日は三嶺だ!
【今回のコース(クリックで拡大)】
【垂直プロファイル】
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